カウンタとリセット,タイマーの使い方

 ここでは,入力が与えられた回数を刻み,指定の回数になった場合に,リレー接点と同じ振る舞いをする「カウンタ」,カウンタのカウントした値をリセットする「リセット」,さらに,入力が与えられた時間を0.1 s毎に監視し,指定の時間に達すると,リレー接点と同じ振る舞いを行う「タイマー」の3種類の部品の使い方を順に紹介していきます。

カウンタの使い方

 カウンタは,その動作がリレーと似ていて,リレーコイルへの導通[ON]が指定の回数以上になったときに,はじめてリレー接点を導通[ON]とするものであるので,使い方はリレー接点とほとんど変わりません。とりあえず,使い方とともに動作を見ていきましょう。

 次のようなラダー図を作ってみましょう。1行目のの部分がカウンタになります。カウンタを配置してみましょう。ツールバーのを選択するとカウンターを配置できます。

 各部品の名前を次のように与えていきます。

 このとき,1行目の右端C1(リレーコイルにあたる)が,指定したカウントの回数だけ導通すると,2行目のC1接点(リレー接点にあたる)が導通[ON]になります。今の場合,「K 10」となっているので,10回導通すると,2行目のC1の接点が導通[ON]になります。つまり,X1が10回導通すると,C1も10回導通するので,2行目のC1の接点が導通[ON]状態になります。10回以降は,X1を押す必要なく,2行目のC1の接点がずっと導通[ON]状態になります。

 実際のカウント数を指定するには,部品の名前を付けるときの画面(カウンターをダブルクリックすると出てくる画面)において,「カウンターのカウント」でカウント数の指定を行います。

カウンターのカウント数をリセットする

 上の例では,カウンターのカウント数が10以上になると,2行目のC1の接点がずっと導通[ON]状態になります。

 ところで,C1の接点を再び,開放[OFF]状態にしたいとしましょう。これを実現するには,カウンターのカウント数をリセットする必要がありますが,これは「リセット」を配置することで可能になります。リセットは,ツールバーのをクリックすることで配置できます。今までのラダー図の3行目に,次のように,リセットを3行目右端に,接点X2の左端に付け加えましょう。

 3行目は,X2が導通[ON]になると,RSTも導通[ON]になり,そのタイミングで,リセット対象のカウンタのカウント数が0になります。リセット対象のカウンタは,ラダー図上のリセットをダブルクリックすると,

となって,リセットするカウンタを選択できます。C1を選択して,OKを押すと次のようになり,

RSTにC1という文字が現れましたが,これが,リセットがリセットするカウンタを表しています。つまり,接点X2が導通[ON]になると,リセットが導通[ON]になり,C1のカウンタ数がリセットされ,0になり,それに伴い接点C1が開放[OFF]になります。

カウンタとリセット; 実機で試す

 上で作成した,カウンタとリセットを含むラダー図を,実機で確認したい場合は,ピンアサインをして,実機とラダー図を接続してみましょう。例えば,おなじみのスイッチボードを用いて,次のように設定してみました。

 カウンタC1と接点C1は,リレーにおける,コイルとリレー接点の関係と同じで,ピンアサインできません。

ラダー図上の名前 対応するPLC (Arduino)ポート PLCの接続先; スイッチボード
X13タクトスイッチ(押すと導通[ON])
X24タクトスイッチ(押すと導通[ON])
Y19LED
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茶色のボードが,スイッチボード。白いタクトスイッチがX1, 黒いタクトスイッチがX2, 一番左のLEDがY1に接続されています。

 上のスイッチボードで,白いタクトスイッチ(X1)を10回を押すと,LED(Y1)が点灯します。黒いタクトスイッチ(X2)を押すと,カウンタがリセットされ,LED(Y1)が消灯します。

タイマーの使い方

 タイマーの使い方も,カウンタの使い方とほとんど同じです。次のようにラダー図を描いてみましょう。タイマーは,ツールバーのから配置できます。1行目のT1がタイマーです。

タイマーのカウントを設定するには,タイマーT1をダブルクリックして,次の画面から編集します。

 いま,タイマーのカウントが「10」に設定しました。タイマーは0. 1 sごとに,自分自身が導通しているか確認し,導通していれば,カウントします。つまり,0.1 s × 10カウント = 1 s導通していれば,2行目のT1接点を導通[ON]にします。 この例であれば,X1が導通[ON]の時に,タイマーT1は導通状態になり,カウントを始めます。すなわち,X1が1 s導通[ON]であれば,接点T1が導通になり,Y1が導通[ON]になります。

 一方で,タイマーへの導通がなくなれば,すなわち,X1が開放[OFF]になれば,接点T1は開放[OFF]になります。

タイマー; 実機で試す

 カウンターの時と同じように,実機で試してみます。ピンの設定は次のようになっています。

ラダー図上の名前 対応するPLC (Arduino)ポート PLCの接続先; スイッチボード
X13タクトスイッチ(押すと導通[ON])
Y19LED

 タイマーC1と接点C1は,リレーにおける,コイルとリレー接点の関係と同じで,ピンアサインできません。

 スイッチボードで,白いタクトスイッチ(X1)を1 s間以上を押すと,押している間のみ,LED(Y1)が点灯します。白いタクトスイッチ(X1)を離すと,LED(Y1)が消灯します。