リレーの使い方

 ラダー図上において,リレーを設定するには,出力とスイッチ(a, b接点)を同じ名前にします。

 次の例をみてみましょう。1行目の出力Y1と,2行目のa接点Y1がリレーになっています。つまり,出力Y1が導通[ON]になると,a接点Y1が導通[ON]になります。一般的な,現実のメカニカルリレーは,内部の「コイル」に電流を流すことで,電磁石をつくり,磁力によって,内部の金属「接点」をひきつけ,接点をつなぎます*。ラダー図上では,その「コイル」にあたる部分が出力Y1であり,「接点」がa接点Y1になるイメージです。

*逆の動作をするリレーもあります。

RelayやLED OUTとあるのはコメントであり,動作に影響しません。

 ラダー図上のリレーであるスイッチ(a, b接点)と出力は,実際の物理的なスイッチや出力には直接結びつけること(アサイン)ができません。

 すなわち,出力Y1とa接点Y1は,リレーであり,ピンアサインできないので,ピンアサインメントの画面に,設定項目は現れません(次図)。

リレーである出力Y1とa接点Y1は,ピンアサインできません。

自己保持回路

  リレーの応用として,自己保持回路と呼ばれる,次のような回路があります。

 この回路は,出力Y1とa接点Y1がリレーになっています。

 いま,初期状態が,a接点X1が開放[OFF],b接点X2が導通[ON]であるとします。この時,X1を導通にすると,

a接点X1 -> b接点X2 -> 出力Y1

の経路が導通[ON]しますが,出力Y1が導通[ON]したので,これとリレー関係にある,a接点Y1が導通[ON]します。すると,再び,

a接点Y1 -> b接点X2 -> 出力Y1

の経路が導通[ON]となり,出力Y1が導通[ON]したので,a接点Y1が導通[ON]となって…,以後,上記が繰り返されて,a接点Y1->X2->出力Y1の経路は,導通[ON]状態を保持します。一度このように保持されれば,この経路の状態は,もはや,X1が開放[OFF]・導通[ON]の状態に依存しません。

 このとき,もし,b接点X2が開放[OFF]になるように操作すると,出力Y1が開放[OFF]となり,a接点Y1も開放[OFF]になります。その結果,a接点Y1 -> b接点X2 -> 出力Y1の経路は,開放[OFF]状態を保持します。このように,自己保持回路は,ある経路の導通・開放状態を保持することができるようになっています。