ELFIをはじめて使う

 ここでは,ELFIを使ってどのようにシーケンス制御を始めるかを紹介します。一般的なシーケンス制御のように,ラダー図を描き,PLCに転送し,PLCと周辺装置の配線を行い,動作を確認することになります。 一般的なシーケンス制御との違いは,このPLCが「Arduino」ということだけです。

◆ELFIのツールバーについて

 はじめに,ツールバーの役割を簡単に書いておきます。a・b接点および出力,タイマ・リセットなどの部品を配置したいときにこれらをクリックします。部品については,キーボードショートカットにも対応していますので,a接点を使用したいならば,Aキーを押すと,選択できます。

 キーボードショートカットは,マウスカーソルを部品の上に持って行くと表示されるツールチップで確認できます。 例えば, a接点(A)とあれば,Aがキーボードショートカットです。

ラダー図を描く

 ツールバーのa接点と出力,配線を駆使して,次のラダー図を描いてみましょう。a接点がONの間,出力がONになる動作をします。

 次に,部品に名前を与えましょう。部品を右クリックして[コンポーネントのプロパティ]を選びます。

 すると,次の画面が現れます。この画面は,部品を配置する際に,ダブルクリックして配置することでも,呼び出せます。

コンポーネントのプロパティ

 「名前」のところを

a接点ならば,X0

出力ならば,Y0

としましょう。うまくいくと次のようになります。

ピンアサインメント

 ラダー図の各部品を実際のPLC (Arduino)のピン(ポート)へ関連づけます。これをピンアサインと呼びます。ピンはArduino Uno R3であれば,Digitalピンの0 – 13とAnalogピンのA0 – A5が使用できます。ここで関連づけたピンに,実際のスイッチ(入力)やLED(出力)などの周辺装置を接続します。

Arduino UNO R3

 ピンアサインを行うには,ツールバーの[ピンアサイン]を使います。これをクリックして,

a接点をDigital 3番ピン

出力をDigital 9番ピン

と設定しましょう。すると次のようになるはずです。

 後ほどに紹介しますが,ここでは,a接点を一般のタクトスイッチ,出力をLEDに接続する予定です。 つまり,タクトスイッチをDigital 3番ピンにつなぎ,LEDを出力をDigital 9番ピンにつなぐことになります。こうすると,タクトスイッチを押している間,LEDが点灯することになります。

Digital 0番ピンは,2020年7月現在うまく機能しないので,使用しないでください。

PLC (Arduino) にラダー図を転送する

  1. ArduinoをPCへと接続します。
  2. ツールバーの[Arduinoの接続先]をクリックします。
  3. このとき,ArduinoがつながっているCOMポートを選びます。
    • たいていはCOM1以外です。
    • 何もなければ,しばらく待ってからもう一度2の手順から始めてください。
  4. ツールバーの[Arduinoへラダー図を転送]をクリックして,しばらく待ちます。ラダー図にエラーがなく,転送が終わると,ウィンドウ下部のステータスバーに[準備完了]と表示されます。
    • ステータスバーの[コンパイルと書き込みのサマリーを表示する]がON(青くなっている)とき,より詳細な転送の様子が表示されます。転送がうまくいったように見えて,うまくいかないときは,ここに表示された情報をもとに判断できますので,ONにしておくことをおすすめします。

PLC (Arduino)と周辺装置の配線

 次にPLC (Arduino)と周辺装置を配線します。ここで,周辺装置を配線するときは,一度 PLCのUSBケーブルを抜きましょう。誤った配線を行うとPLCのみならずPCを壊す可能性があるからです。PLCは,USBケーブルを抜いても,最後に転送したプログラムを覚えています。

 今回は,次のスイッチボードにPLCを接続してみます。このボードはここで紹介しています。

PLCをスイッチに配線

 このボードの代わりに,スイッチとLEDを備えた装置があれば,何でも構いません。ただし,今回PLCとして使用するArduino Unoは,5 V系であるので,0 V – 5 Vが論理レベルの0 – 1に相当します。したがって,スイッチのON/OFFに対して,スイッチの出力が5 V – 0 Vであることを確認してから使用しください。ピンの耐圧は,5 Vであり,それ以上をUnoへと入力すると壊れます。また,ピンの出力は最大5 Vで40 mAまでです。

Arduinoや上図のようなスイッチボードがない場合は,ここで,続きを行うことができます。

 次のように配線しましょう。

配線
上図の拡大

動作チェック

 配線ができたら,再びPLC (Arduino)にUSBケーブルを挿して,PCと接続しましょう。上の図において,白いボタンを押してください。白いボタンを押している間,左横のLEDが点灯していれば成功です。